現代社会において「性の多様性」が注目される中、LGBTQ+当事者が安心して過ごせる空間はまだまだ不足しています。
2025年3月、富山市に開設された新しい居場所「みちくさ」は、誰もが気軽に立ち寄り、性について自由に語り合えるスペースとして注目を集めています。
当記事では、性の多様性と地域のつながりを支える「みちくさ」の全貌やその意義などについて深掘りします。
みちくさとは?:LGBTQ+や性の多様性に関心のある人が集うコミュニティスペース
「みちくさ」は、LGBTQ+当事者や性の多様性に関心を持つすべての人が自由に集まれるコミュニティスペースです。
場所は富山市内の店舗の2階。
月に一度、月曜日の午後に開催され、参加費は100円(高校生以下は無料)という手頃さも魅力です。
このスペースでは、外見での判断や個人情報の共有を避けるルールのもと、誰もが安心して過ごせるよう配慮されています。
書籍を読む、雑談を楽しむ、宿題をするなど、自由な使い方が可能な「みんなの居場所」として設計されています。

運営団体「レインボーハート富山」の取り組み:富山で10年以上にわたる性の多様性支援
この「みちくさ」を運営するのは、富山県内で10年以上にわたりLGBTQ+支援や性の多様性に関する啓発活動を行ってきた団体「レインボーハート富山」です。
過去には公共施設での交流会なども定期的に開催しており、地域における性の多様性への理解促進に大きく貢献してきました。
レインボーハート富山は2023年にスタートした「パートナーシップ宣誓制度」にも影響を与えており、富山県内の人権意識向上において重要な役割を担っています。
「居場所」が必要とされる理由:当事者の声が語る孤独と不安
「みちくさ」設立の背景には、LGBTQ+当事者が抱える深い孤独や不安があります。
レインボーハート富山が行ったアンケート調査では、交流会に参加した当事者の約半数が「話せる人がいない」「安心できる場所がない」と回答。
さらに、これまでの交流会形式では「事前申し込み」が必要であり、それが参加のハードルとなっていたケースも。
こうした状況を受け、もっと気軽に来られる「開かれた居場所」の必要性が浮き彫りになったのです。

みちくさがもたらす社会的意義:性の多様性を“自分ごと”として考える場に
「みちくさ」は、単なるコミュニティスペースではありません。
そこは、性の多様性を“他人ごと”ではなく“自分ごと”として捉えるきっかけを提供する場でもあります。
運営代表のさわさんは、「人の気持ちが変わることが大切。テレビや情報だけでなく、実際に“居場所”に触れることが変化を生む」と語ります。
こうした草の根活動が、家庭、学校、職場といった日常の場にも変化をもたらしていく可能性があります。

今後の展望とSNS活用:情報の発信と継続的なつながり
「みちくさ」は今後も月1回の定期開催を予定しており、開催情報は公式ホームページやSNSで発信されます。
これにより、情報にアクセスしやすい環境が整えられ、県内外の利用者の裾野が広がることが期待されています。
さらにSNSを活用することで、遠方に住む人々や情報を求める若年層にも活動が届きやすくなっており、時代に合った支援のあり方を実現しています。
レインボーハート富山の公式ホームページやSNSは下記です。
・公式ホームページはこちら
・公式エックスはこちら
・公式フェイスブックはこちら
ネット上での反応と声
ネット上では、
・「こういう場所がもっと増えてほしい」
・「子どもを連れて行きたい」
・「自分の地元にも必要」
といった声が多く寄せられています。
また、教育関係者や福祉従事者からも、
・「参考にしたい」
・「研修で取り上げたい」
といった反応があり、注目度の高さがうかがえます。
こうした声は、「みちくさ」のような場所が社会的に求められている証です。

まとめ:富山発、LGBTQ+を支える新たな取り組みが生む未来
「みちくさ」は、LGBTQ+当事者をはじめ、すべての人が安心して過ごせる社会を目指す大きな一歩です。
地元のNPO団体による地道な活動と、市民の理解によって実現したこの空間は、性の多様性が当たり前に尊重される社会への道標となるでしょう。
地方から始まるこうした動きが、全国に広がっていくことを期待したいです。
当記事は以上となります。
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