2025年4月、高岡市金屋町で地域の象徴ともいえる複数の銅像が盗まれるというショッキングな事件が発生しました。
中でも注目を集めているのが、50年以上にわたって市民に親しまれてきた「体操坊やこうはちろうくん」の盗難。
地域住民や観光客にとって象徴的な存在だった銅像の消失に、悲しみと憤りの声が広がっています。
事件の概要:金屋町で4体の銅像が盗難、「こうはちろうくん」も被害に
2025年4月12日までに、富山県高岡市金屋町に設置されていた銅像4体が盗まれたことが明らかになりました。
富山県警高岡署が窃盗事件として捜査を進めています。
被害にあった銅像の1つは、大寺幸八郎商店の前に50年以上設置されていた「体操坊やこうはちろうくん」。
高さは約130センチで、男の子が右手を上げて体を左に曲げる体操ポーズが特徴です。
防犯カメラの映像から、犯行は12日午前1時40分頃とみられています。

「こうはちろうくん」とは?:高岡鋳物文化を象徴する名物キャラクター
「こうはちろうくん」は、高岡市金屋町の伝統産業「高岡鋳物」を象徴するキャラクター銅像です。
大寺幸八郎商店の店先に設置されており、そのユニークなポーズが観光客の記念撮影スポットとしても親しまれてきました。
地域の子供たちには「体操坊や」として愛され、地元の象徴的存在とも言える銅像でした。
失われたことで、地域のアイデンティティの一部が奪われたと感じている人も少なくありません。
富山県内で相次ぐ銅像盗難:2023年には伏木国分でも被害
今回の事件は単独ではなく、富山県内では過去にも銅像の盗難被害が発生しています。
2023年9月には、高岡市伏木国分の「もみじ姫公園」に設置されていた銅像が盗まれる事件も報告されました。
銅像は主に金属製であることから、金属の転売目的と見られる盗難が全国的にも問題となっています。
高岡市においても、文化財や観光資源を守るための対策が急務となっています。
市民・店舗代表の声:「まちの風景が変わってしまった」
大寺幸八郎商店の代表である大寺康太さん(47)は、事件について次のように語っています。
「本当に大事なものだったんでうちとしても象徴的な銅像だったので悲しいですし、本当にできるなら戻ってきてほしい」
引用:チューリックテレビ
地元住民からも
・「日常の一部だったこうはちろうくんがいなくなって寂しい」
・「まちの誇りを返してほしい」
といった声が聞かれ、街全体が落胆に包まれています。
今後の防犯対策と再発防止に向けて:高岡市が取り組むべき課題とは
銅像盗難の再発を防ぐためには、地域ぐるみでの対策が求められています。
下記は今後の対策案です。
・防犯カメラの増設と常時監視体制の強化
・銅像の固定方法見直し(地中埋設型、アラーム連動)
・夜間の見回り強化や住民によるパトロール
また、観光名所としての価値を守るためにも、市と商店街、住民が一体となった「まちづくり型の防犯計画」が望まれます。
ネット上での反応と声
事件の報道後、SNSでは「こうはちろうくん」がトレンド入りするなど、多くの人が関心を寄せています。
・「子どもの頃から見ていた銅像が盗まれたなんて信じられない」
・「こうはちろうくん、帰ってきて…」
・「金属目的かもしれないけど、文化を壊すような行為は許せない」
一方で、「寄付を募って再制作できないか?」といった前向きな提案も見られます。

まとめ:「こうはちろうくん」が示す文化の価値と地域の絆
「体操坊やこうはちろうくん」の盗難は、単なる窃盗事件ではなく、地域文化や観光資源に対する深刻な打撃です。この事件をきっかけに、私たち一人ひとりが地域の大切な財産をどう守っていくかを改めて考える必要があります。
失われた銅像が一日でも早く見つかり、再び金屋町の風景が元通りになることを願っています。
コメント